不思議な事もあるもので、6月19日の緊急事態宣言の解除と同日にシャドーハウス第5巻が発売されました!

偶然の一致かは分かりませんが、2月に発売された4巻が警戒色に満ちた赤色だったのに対し、今回の5巻は青色が目を引く表紙です。
アラート解除を象徴しているかのようです。

ただ残念ながら、今回は各書店の購入特典はありませんでした。
時期が時期だっただけに致し方ないですが、前巻で一気に特典を扱う店舗が増えただけに、プロモーション的に勿体なかったように見えました。

もっとも、代わりに無料公開(第36話目まで)が1週間実施されたり、ソウマトウ先生によるネットプリントでのイラスト配布(※既に終了しています)があったりと新しい動きもありましたので、今後も楽しみですね。

当ブログのアクセス数も通常は単行本発売日に大きく増加するのですが、無料公開実施日から増加傾向にありましたので、今回の無料公開も大当たりだったと思います。
(二匹目の鰌を狙うつもりか!?と思いましたが、見事に当たるから凄い!)


さて毎巻恒例ではありますが、当記事では単行本5巻を読んでみて気付いたことなどをまとめてみました。

もちろんかなりネタバレも含みますので、続きよりお願いします。



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●カバー表紙
今回の表紙は、きらびやかなステンドグラスに照らされた階段を降りる星つきたちでした。
対して、ケイトはエミリコの口に手を当てて階段の陰で息をひそめています。

まるで星つきに反抗し始めた5巻の内容を表しているかのようですね。

悠然と歩く星つきをじっと伺いながら、チャンスを逃さんと間合いを計っているのか。はたまた、エミリコを館の脅威から守ろうと肩を抱いているのか。

そんな色々な想像が楽しめる一枚絵となっています。

ちなみに今回の帯はソウマトウ先生の担当者様のデザインらしいです。

この帯も悪くはないですしコロナ禍の影響もあったので已むを得ませんが、1巻や2巻の時のような芥先生デザインの帯も久々に見たいなあと思いました。

もっとも、帯にまで特殊紙を使った単行本1巻の豪華仕様は担当の方が販売部から本気で怒られたとかなんとか……。
そう考えると販売数が増えた今はこれが妥当なのかも知れないですね。

ですが、実は青箔は金銀箔と比べてかなりコストがかかるとの噂が!
う~ん、また担当者の方が怒られていないか心配です……。



●扉
表紙の次のページのことです。
今巻もエミリコの部屋が描かれています。
無人……と思いきや、小窓から顔を覗かせるエミリコが!
シチュエーション的に、第61話で外に出た時の一コマでしょうか。
オリバー先生作「遠方鍵伸ばし棒」に手を掛けていることから、脱出後に鍵を取って扉を閉錠したのかも知れません。

でもそうすると、部屋の鍵はケイトとエミリコどちらが持っていたんでしょうね?

エミリコだとすると、もしかしたら一足先に同期会を終えたケイトが「エミリコはいつになったら帰ってくるのかしら!」と扉の前でやきもきする姿があったかも知れませんね。


●登場人物紹介
4巻との違いは、エドワードが抜けて亡霊が追加されたことですね。
あとはこれまで通り、ケイトの同期がメインで紹介されています。

今回の注目は、エミリコの小さないたずら書きです。

ケイト組にはすすだるま、ルイーズ組にはこびりつき、シャーリー組にはリボン、ジョン組にはケイト、パトリック組にはスカル……。

これらは第61話の同期会で彼女達が作ったすすだるまです。
もしもあの時エミリコがいたら、パンちゃん型のすすだるまを作っていたかも知れませんね。

4巻と同じく、エリーやジェラルド、重鎮達は収録最終話の直後に紹介されています。


●単行本途中の設定情報
5巻では、p65の眼鏡の設定情報だけでしたね。
ショーンとオリーとナンシーの眼鏡の詳細です。

ただ題名に「物品情報①眼鏡3種」と書かれていますので、物品資料②、③、④…と続きも期待してしまいます。
眼鏡と言えば、重鎮のジョゼフもしていますね。果たしてどんな顔をしているのやら…。


●巻末カラーページの設定情報
これまでは巻末のカラーページにはシャドーハウスの世界観の設定が記載されていましたが、5巻ではこどもたちの棟の全員が紹介されています。

既に登場済みのキャラクターには名前も書いてありますね。
ここで描かれているのは46人で、ケイト組・ジョン組・パトリック組・ルイーズ組を含めて50対です。

以前の記事(こどもたちの棟の甚大な被害)でこどもたちの棟は約50人と書きましたが、当たっていました。
正確なヒントを幾つも作中に散りばめていたとは、驚くばかりです。


●裏表紙
今回は鏡に映ったローズマリーの横顔が描かれています。
普段はほんわかしたお姉さんですが、横顔ですと少し大人っぽいですね。

でも、できればもっと格好良く活躍する巻で描かれて欲しかった……!


●各話と各話の繋ぎ
5巻も前巻までと変わらず、各話のラストと冒頭が巧く計算されており、単行本に収録されても違和感ない構成となっています。

個人的には、P78・79(第56話と57話の間)のベル姉妹の左右対称具合がとても好きです。
連載中は「シメントリ―な暴走」と煽り文がありましたが、その名の通りの構図に唸るばかりです。


●背表紙
此度の装丁も芥陽子氏の手によるものです。今までと変わらない、素晴らしい装飾です!

背表紙については4巻で散々『題名が溶け込み過ぎている』という声があったせいか、今回の背表紙は茶色の背景に青箔で目立つようになっています。

1巻から金箔・銀箔・金箔・赤箔・青箔となっていますが、6巻以降はどうなるのか楽しみですね。
パトリック色の緑か、ルイーズ色の黄色か、それとも別の色になるのか……。



今回も改めて読んでみると、至る所に様々な技巧が凝らされていますね!
私が気付いていない小ネタもあるでしょうから、新たに分かったことがあれば記事にしていきたいと思います。