葉月になりました。

冷夏だと言われていた梅雨の時期が嘘のように、連日暑い日が続いています。
熱中症には気を付けていきたいところですね。

我が国では8月に入ると、お盆もあってか故人の歴史や功績に思いを馳せる機会が多くなります。
特に上旬は、過去の戦役や著名な事故が取り上げられることもあり、その傾向が顕著です。

その最たるものが8月15日の終戦記念日でしょう。
毎年いたる場所で、先の大戦について振り返る行事や特集が行われています。

歴史の見解については人それぞれでしょうからここでは触れませんが、まずは先人たちへの敬意と哀悼を込めて、静かに祈りたいところです。
そして来年以降こそは、この時期にこれ以上悲しい出来事を増やさないようにしていきたいものです。


さて、まるで社会派ブログのようなことを書き連ねてしまいましたが、これは当記事の題名がきっかけです。
既視感のある方も多いでしょう。呆れるほどに、あからさまな模倣ですね。

タイトルは、半藤一利氏のノンフィクション小説「日本のいちばん長い日 運命の八月十五日」から拝借しました。
二度も映画化されている、有名な作品です。 


なぜこんなシャドーハウスとかけ離れた作品から題名を拝借したのかといいますと、単純に今回の記事の内容を表すのにぴったりだったからです。
よって、半藤氏の作品とは全く関係ありませんのでご了承下さい。


前置きが長くなってしまいましたね。本題に移ります。

今年の3月から始まった“お披露目”。
これまでの長い期間の中で、エミリコをはじめとして、各登場人物たちの動向が生き生きと描かれ、そして多くの物語が紡がれてきました。

不穏な場面あり、コミカルな場面あり、謎が謎を呼ぶ場面あり……

特にケイトとエミリコのダンスシーンは、シャドーハウス最大の名場面として記憶に新しいと思います。


ですが、そんな慌ただしいストーリーに埋もれて、重大な事実を見逃しかけていました。

この5か月の間に展開されてきた物語。

実は、作中ではまだ一日も経っていないのです。

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何をそんな嘘な、と思うかも知れません。

ですが本当です。
もしかしたら、“お披露目”が始まってから半日も経っていない可能性もあります。

疑問に思う方は読み返してみて下さい。
納得頂けるかと思います。


ということは……
亡霊の正体を探し求める深夜の見廻りが終わったのも、つい前日のことだということです。

つまり、エミリコがケイトに寝不足の顔をたしなめられていたのも、ラムがシャーリーにおやすみのキスができなかったことを後悔していたのも、ジョンがショーンのために眼鏡をかけていたのも前日のことです。

それどころか、廊下でエミリコとミアがキャッキャウフフしているのをローズマリーが、「あらぁたのしそうねぇ」と見ていたのも前日の出来事です。

なんかこう書くと遥か昔のことに感じますね。
そろそろローズマリーお姉さん見たいなあ……

更にもっというと、エミリコとラムとショーンが深夜の見廻りを始めたのは僅か1週間前です。

大広間で、バービーがミアに蹴りを入れ、ショーンがバービーを転がし、リッキーがショーンに殴りかかったのも1週間前の話です。

こう書くと、本当に第17話は荒れまくってましたね。
やっぱりローズマリーお姉さん、そろそろ見たいなあ……


さて、読者が感じている以上に、作中ではさほど時間が経過していないのがお分り頂けたかと思います。
ある意味、驚異のペースといえるでしょう。


ですが、私がここで言いたいのは、時間の経過が遅すぎるということではありません。
むしろエミリコの活躍を長く見ていたい身としては、この傾向は大歓迎です。


では何が言いたいのか。

それは、深夜の見廻りから“お披露目”までの短い時間で、どうやって上位のシャドーや試験官三人組が新人達の情報を知り得たのかという疑問です。

第36話でエドワードは、エリーから資料を受け取りながら、

「すでに目を通したさ」
「部屋から出る煤やごみの量・星つきからの報告もある」

と話しています。

一連の会話から分かるのは、
・この資料はエドワードが作ったものではない。
・資料だけではなく、エドワード自らが煤の量や星つきから情報を得ていた。

以上2点です。

これだけならば、単に事前調査が行われていただけのように思えます。


ですが、それだけでは説明のつかない会話が第30話にありました。

それが、9ページ目でモノクル卿(片眼鏡の上位のシャドー)が、
「資料を読んでいないのか この3人形は仲が良いのだぞ」
と述べている場面です。

何度も書きますが、深夜の見廻り組が結成されたのは“お披露目”の1週間前です。
しかも三人の仲が良くなったのは、最終日です。

正確には、ラムがようやく自分の名前を語り、エミリコが笑顔で「ラム‼」と返事をし、その様子を眺めながらショーンが微笑んだ時です。

時間にすれば、“お披露目”前日の未明でしょう。
ショーンがこの後に、亡霊の原因探しは絶望的だと考えていましたが、まさにタイムリミットぎりぎりだったわけです。

しかしこう考えれば考えるほど、なぜ資料に三人の仲が良いと書いてあったのか謎すぎます。

まさかローブシャドーが “お披露目” に関わっているとでもいうのでしょうか?

もしそうだとするならば、かなりややこしい考察となってきます。
三人を偵察するためにエドワードが潜入させたスパイだと考えるとしっくりきますし、むしろエドワード自身だったと考えれば、前記事の “試験官三人組=シャドー説” が正しいように思えます。

ですがそれだとローブシャドーの行動が意味不明になります。

ひとまずここは冷静になって、別の可能性を探りましょう。


どうして3人の仲の良さが、上位のシャドーに知られているのか……

一つだけ思い付きました。
多分こんなやり取りが、“お披露目”前日の朝に繰り広げられていたのではないでしょうか。


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バービー「お前ら、亡霊の正体は分かったのか!」
エミリコ「はい、分かりました!実はすす処理の間の…(以下略)」
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バービー「…ほう。で、なぜ中間施設のことが分かったんだ?」
エミリコ「はい、実は親切なお影さ…!? むぐっ…!」ジタバタ
ショーン「(おい、内緒にしろと言われただろ!)」ガシッ

バービー「ええい、埒が明かん! 『無能』、説明しろ!!」
ラム「……」プルプル
バービー「(まさかこいつら…!)」
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ここで三人の仲の良さに気付いたバービーが、“お披露目”でのイレギュラーを懸念し、至急3階の重鎮へと報告しに行ったのかも知れません。
何といっても、他の生き人形に関わることは無駄だと刷り込まれているのが、普通の生き人形ですからね。
レアケース、しかも翌日“お披露目”を迎える生き人形が仲良くなっているという事態は、当然シャドー家としては危惧すべき事案です。

これまで同様の事例がシャドーハウスの歴史の中であったかは分かりませんが、いずれにせよ重大な案件だった可能性は高いです。
この緊急事態は看過できないとしてバービーが動いたと考えれば、なぜ重鎮たちが見廻り三人組のことを知っていたかという理由になるのではないでしょうか。
ひょっとしたら、反旗を翻す火種になりかねませんからね。
平静なようでいて、実は重鎮たちも内心動揺していたらと考えると滑稽です。

余裕そうに振る舞う高貴なシルエットたち。
実は“お披露目”という一日が長く感じられているのは、読者や新人達だけではないのかも知れません。