何とか平成中に出張から帰ってくることができました。

仕事中だというのに、街を歩いては
「エミリコなら『大きい建物がいっぱいです!』とかはしゃぐんだろうなぁ」
とか、ショーケースの中のお菓子を見ては
「エミリコなら『キラキラしてて可愛いです!』とか喜ぶんだろうなぁ」
などど考えながら出張先に滞在しておりました。

一体全体何を考えているんだ、という感じですね。

完全に頭の中がシャドーハウスに支配されつつあるようです。

まだ脳内のエミリコやケイト嬢が話しかけてこないので個人的にはセーフだと思っていますが、社会的にはセーフに近いアウトかも知れません。

さて、先週26話が公開されてからというものの色々な考えが浮かんできてなかなか整理できなかったのですが、ようやくこうやってまとめる時間が取れました。

今回の記事は毎回恒例、お話のあらすじと感想です。

相変わらず気になったことや明らかになったことも多いですが、深く掘り下げたい考察などは令和時代に持ち越しになるでしょう。

幸い次号は5月9日に発売なので、ゆっくり考えていきたいと思います。

では続きよりどうぞ。

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庭園へと続く扉の鍵を開けたところで幕を閉じた前回。
今回はその続きです。

扉の前で躊躇する男子二人組。
毎度のように意見の食い違うショーンとリッキーですが、エミリコに迷いはありません。

主人を心配することは余計なことではないと、一同を外に出るよう促します。

"顔"として優秀なルウが頷いているので、この判断に間違いはないでしょう。
リッキーは苦虫を噛み潰したような顔をしています。
その後ろでは口に手を添えて心配そうなラム。
(リッキーのことを笑ってるわけではない……よね?)


エミリコを先頭に庭へと向かう5人。
その先にはエドワードが待ち構えていました。

その口ぶりと表情から、お菓子の中にある鍵の破片を組み合わせて扉を開ける仕掛けはエドワードが仕組んだものなのでしょう。

なかなか凝った仕掛けを作ったものです。

ですがこれ、もし生き人形が全員パトリックリッキーと同じ考えだったらどうするつもりだったんでしょうね。

というより、この仕掛けは"お披露目"では毎回行っているのでしょうか?

バービーやミアもこの審査をしたのかと思うと少し滑稽であります。
(ローズマリーだったら、「美味しかったわあ」とか言いながら完食しそう)


ただ、もしもこれがエドワード独自のプログラムだとしたらそれはそれで面白いですけどね。

顔のない人形に作らせたお菓子に鍵の破片を仕込み、シャドーの5人を庭園に案内した後にいそいそと砂時計の塔の前に道具を運んで並べ始めるエドワード……

これはこれでシュールな光景です。
しかもお披露目の間にあった格付け台と人形も何故かエドワードの傍らにあるし。

わざわざ運んだのか 、それともスペアがあるのかわかりません。
でもわざわざ庭園にあるということは、この格付けも“お披露目”を左右する重要な基準なのでしょう。

時計を眺めながら、思ったよりも遅かったと語るエドワード。
思い通りにはいかないものの、何だかんだでユニークな今回の5人の新人達を評価してはいるようです。

主人達の心配をするエミリコに対し、エドワードはこれから始まる審査について説明し始めました。

どうやらこの庭園内で、ちょっと毛色の変わったゲームが行われるようです。

内容は、

‟庭園内のどこかにいる主人を助け出した上で合流し、時間内までに庭園の出口まで辿り着くこと”

ルールは二つ、
・“生き人形”は顔を傷つけてはならない
・シャドーは服を汚してはならない

エドワードの説明の中に、主人を“無事助け”、という言葉があるのを聞き逃さなかったショーンは、エドワードに対し何をしたのかと問います。

その姿は、“お披露目”で何度もエドワードに抗議していた主人のジョンとそっくりです。

ですがエドワードはそれには答えず、“考えるべきこと” と “考えるべきでないこと” をよく考えろと忠告します。

考えるべきことか否かをまずよく判断した上で、考えるべきことであればよく考えろというのです。

ややこしくてよく分からなくなってきそうですが、‟生き人形”としての姿勢をよく弁えろということなのでしょう。

ここら辺の判断と実行は、エミリコが最も苦手とする分野だと思いますので、今から先行きが心配であります。
逆にルウなんかはこの辺りはよく弁えていそうですね。

以前ローズマリーがこびりつきに乗っ取られた時、「私選ぶのは苦手」とエミリコにミアとローズマリー、どちらを助けるかの判断をぶん投げていますが、これは、“余計なことは考えない”という生き人形の本分を突き詰めた結果なのかも知れません。

そのルウの性格が如実に表れたのがこの後のシーンです。

庭園内での審査の説明が終わったエドワードは、芝生の上に置いてある道具類の中から好きなものを選べと生き人形達に告げます。

エドワードの発言をそのまま受け止めるのであれば、全然必要のない、最悪荷物にしかならない道具もあるようです。

ところがルウはおもむろに転がっている小石を拾うと、後ろ向きに勢いよくトス!

偶然当たった巨大な鋏を手に取りました。

リッキーのツッコミ通り本当にそれでいいのかと問い詰めたい位ですが、以前と同じように選ぶのは苦手だと主張するルウにとって、これしか方法がなかったのかも知れません。

庭園の中で巨大な鋏を持った人形がゲームに参加する、というと、以前ヤングジャンプで連載していた某漫画を連想してしまいますが、ここではそれは置いときましょう。

続いて一悶着あったものの、ショーン・リッキー・ラムが選んだのは以下のようになりました。

・ショーン → ルーペ
・リッキー → すすコート
・ラム   → ランタン

いずれも長所短所ありますが、それぞれの考え方が表れていて個性的と言えます。

リッキーはルウの道具の選び方やラムの選んだ道具について嘲笑しますが、何が起こるか分からない庭園内において、まったくの役立たずと言えるものはないといえます。

ここいらの道具の考察については長くなりそうなので、別記事にてまとめたいと思います。


さて、最後は我らが主人公エミリコ。

残ったものは全てゴミだと嘲笑うリッキーに対し、パンがあると言い返しました。

ここにきてまだパンに目が行くのかと呆れるリッキー。
ショーンとラムも口には出さないものの、やっぱりパンなのかと心の中で呟いています。

パンに対するエミリコの思い入れを見ていると、何だか日本人の米信仰(稲作信仰)をつい連想してしまいます。
この場合はさしずめ、“パン信仰(小麦信仰)”といったところでしょうか。
これについても少々書きたいことがあるので、別記事にて書かせて頂きます。

ところがここでのエミリコの選択はパンではありませんでした。

では一体何を選んだのか。

最終ページで一同が予想だにしなかったエミリコの選択は、なんと荷車でした。

自信満々に、これでないと駄目なのだと笑顔で語るエミリコ。

思わず我々読者も心配になってしまうエミリコのセンスです。

ただ、忘れてはいけない事実が一つあります。

実はこの中で庭園内に出た経験のある生き人形ってエミリコだけなんですよね。
きっと他のメンバーやエドワード、そして読者には思いもつかない考えがエミリコにはあるに決まっています。

何といっても、最後に笑顔で終わるエミリコを見るなんて、本当に久し振りですからね。

幸先の良いスタートを切った庭園編。

きっとエミリコなら無事にケイトを救い出してくれること間違いなしです!!